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Big Adventure Ticket 競馬のページです。


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所長の万馬券ヒッツ

予想の仕方です。 

1 予想の機軸、予想の仕方

2 血統 1 系統

3 血統 2 各種牡馬

4 ジョッキー

5 競馬場 施設

6 馬場状態 展開

7 時計 斤量

8 新聞

9 買い方

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   血統 1 系統   

 血統でその馬の能力が決まるわけではないし、その馬のすべてがわかるわけでもないが、馬体を見てその馬がわかるほど見る目があるわけではないから、血統である程度その馬のタイプを予想するのは結構重要な要素になる。もちろん、すべての馬がその血統のパターンどうりになるわけではないが、ある程度イメージを持っておくことで、予想はしやすくなると個人的に考えている。

T ノーザンダンサー系    どこでも走れる平均ペース型

 世界に広がる主要血脈。優れた万能性を誇り、どんな馬場状態でも力を発揮するのが最大の特徴だろう。ニジンスキー、ダンチヒ、ダンシングブレーブなど歴史的に名を残す名馬を数多く出しており、脚質もバラエティーに富むが、基本的にはどんな馬場でも走る平均ペース型というイメージで良いだろう。スピード、スタミナは各系統によって異なるが一般にスタミナに優れている。反面、瞬発力は一様にない。

 コーナーリングはうまく、どんな馬場でもこなす器用さはあるが、スピードの変化をつけられるような器用さはなく、最初から最後まで、スタミナが許す限り同じペースで走ることが出来るのが特徴。それは馬場状態、コースを問わない。ゆえに大レースでもミドルペースで最初から最後まで逃げ切るようなことが出来たり、他の馬がばてる様なハイペースで豪快に差しきってみせたりすることが出来るのだが、反面、スローペースを自力で動いて差しきったり、前々の位置を取って息を入れ、直線でスパートする、という競馬はあまり得意としない。母父に入ると多くの場合は万能性を補完し、底力を底上げすることが多い。また、ハンデが重くても苦にしない。好走イメージは以下。

1  スローペースでの早め抜け出し

 スローペースでは息を入れる必要がないため、平均ペース型の同馬は前の馬を競り落とすことだけ考えればよい。上がりがあまり早い決め手勝負は得意ではないが、スローペースで抜け出したら最後まで止まらない。レース中盤から先頭に立ち、4角で突き放すような競馬をすれば、実にしぶとい競馬をする。下り坂での早めスパートが得意だ。

2 ミドル、ハイペースで逃げ、すべての馬を競り落とす

 単騎でも複数でも、ペースが速くなりそうならノーザンダンサー系の馬が最後まで残るのを疑ったほうが良い。無尽蔵にスタミナがあるわけではないが、他と比べるとスタミナがある系統だし、スタミナが切れても惰性で走ってくる。

3 ハイペースでの差しきり

 G1などの大レースだとさらに顕著だが、ペースが速くなれば早くなるほど、ノーザンダンサー系の差し馬が有利になる。基本的にレースが早くなると、テンのタイムより、終いのタイムのほうが遅い馬が多くなるが、ノーザンダンサー系に関しては同じペースで走ってくる。バテあいになるようであれば、この系統が買い。下り坂での捲りが得意だ。

4 劣悪馬場での差しきり

 不良馬場など、他の系統の馬が苦手とするような馬場でも最初から最後まで淡々と同じペースで走ってくる。とにかく止まらないため、豪快な差し切り勝ちもある。

買い条件

ペース= ミドル、ハイペースなら買い、スローペースは先行馬で買い。

ダートは基本的に逃げ馬買い、ミドル、ハイペースで差し馬買い。

コースはどこでも走るが、コース形態が特殊な京都では特に強い。芝の不良馬場、劣化馬場はベタ買い。

ハンデ戦は斤量を気にしない血統なので、軽量馬は実力不足で消し、実績馬は斤量関係なく買い。

中系統

1 ノーザンテースト系

 現在ではメジロライアンの系統を残すのみとなったが、日本で大旋風を起こした系統。ノーザンダンサー形の中でも特にその特徴を顕著に出す系統で、抜群の勝ち上がりを見せたが、差し馬では甘さを残し、決め手勝負を苦手とするため、最後まで大物は出なかった。メジロライアン、ブライトはその典型だろう。

2 サドラーズウェルズ系

 ヨーロッパで覇権を握ったノーザンダンサー系の主流のひとつ。日本でなじまないのは軽い芝向きの決め手が不足しているからだろう。しかし、シングスピール、オペラハウスの系統が少しづつ活躍馬を出している。ノーザンダンサー形の中では特に洋芝適正が強いのが特徴。日本では厳しい展開になった際の逃げ馬、ハイペースでの差し馬が強い。前者ではローエングリン、後者では超大物テイエムオペラオーを出した。テイエムオペラオーのように、母系はナスルーラ系などの爆発力のある血統が良い。

3 ダンチヒ系

 ノーザンダンサー形の中ではダッシュ力に優れた系統で、全般的に距離適正が短い。「押し切る」タイプの競馬が得意で、勝つときはとにかく強い系統。デインヒルに代表されるように、マイル前後がやはり強いが、チーフベアハートのように、長距離を押し切るタイプの馬もいる。日本ではアジュディケーティングが種牡馬として成功、特に公営で大活躍し、アジュディミツオーを出したが、この馬の勝ちパターンも先行押切である。

4 リファール系

 ダンシングブレーブを出した系統で、日本でも活躍馬を多く出す万能血統。距離適正が幅広い。ダンシングブレーブのような爆発力をもつ馬はあまりなく、同馬の系統でさえ、やはりノーザンダンサー系然とした平均ペース血統だ。キングヘイローのように中距離の差しでは基本的に甘くなるが、ミドルペース以上では差し切りが決まるし、短距離だと押し切りが効く。下り坂でスピードに乗ることが出来るため、京都、中京が得意。単純な平均ペースに上乗せするため、このコースでだけはなかなかの上がりタイムをマークしてくる。やはり3コーナーに下り坂があり、タフなコースである東京でも最後までバテずに走ってくる。カワカミプリンセス、アサクサキングスあたりは東京でも京都でも走っているように、下り坂でスピードが乗る血統だ。

5 ヴァイスリージェント系

 アメリカで力強い先行力を武器に勝ち上がり、一気に勢力を拡大した系統で、ほとんどがデピュティミニスターの系統。芝ダート兼用だが、どちらも短距離のほうが得意か。ミドルペースまでなら中距離でもこなす。最初から最後まで力強く走る系統で、一瞬の足はない。一流馬であるクロフネ、エイシンデピュティ、スリープレスナイトはやはり力強い先行力を武器としている。

6 ニジンスキー系

 日本ではマルゼンスキーを出しているように、これも豊富なスピード、スタミナを武器にねじ伏せるタイプ。比較的にスタミナが豊富なタイプだが、前面にスピードを押し出す産駒はネーハイシーザーや、ブルーコンコルドのように、先行力で押し切る競馬が得意。対してラムタラ、フサイチコンコルドのようなクロスを持つ馬は、タフなペースを奇跡的な末脚でねじ伏せることもあり要注意だ。

7 ストームバード系

 ノーザンダンサー系でも特にダート適正が強いタイプで、パワフルなスピードタイプの印象が強いが、日本の芝向きのスピードはなく、また日本の砂の粗く、深いダートも向かない感じ。湿ったダートや劣化した芝などの条件で走ることが多く、良くも悪くも人気を裏切る系統。基本的にはノーザンダンサー系らしい平均ペース型だが、馬場適性が偏った珍しいタイプといえる。

8 ヌレエフ系

 ノーザンダンサー系きってのスピード血統なのだが、瞬発力に欠けるためスピード血統のイメージがない、という面白い血統。最近では日本ではコスモバルクなどが活躍しているが、基本的にはハイペース台頭型のスピード血統で、ソヴィエトスター、パントレセレブル、ブラックホークなど、中団前めからタフな流れをぶった切るような競馬が得意。距離適正は比較的に短めだ。スローペースではせっかくのスピードを生かしきれないことが多い。成長力に富む血統で、時計勝負が得意。日本では地味血統なので馬券になりやすい。

9 その他  

 その他ではラストタイクーン(ビッグストーン、メイショウドトウ)、エルグランセニョール(ロドリゴデトリアーノ、スーパーホーネット)などがいるが、基本的には同じ傾向。

U ヘイルトゥリーズン系     脚が溜まればとにかく切れる

 ロイヤルチャージャー〜ターントゥの流れからでた系統で、ノーザンダンサー系と並んで世界に広がりを見せる血統。ノーザンダンサーとは対照的にスピードの変化をつけられるのが武器。スタミナ、平均的なスピードではノーザンダンサー系に劣るものの、柔軟なペース変更と瞬間的なスピードで、補って余りある実力を身につけている。

 実力でねじ伏せる、スピードとスタミナで押し切るといったタイプのノーザンダンサー系と異なり、ヘイルトゥリーズン系は逃げでも差しても、あっという間に勝負をつけることが多く、展開のアヤに左右されることが多い。逃げ馬だと、最初からいきなり飛ばして圧倒的に差をつけてそのまま逃げ切るタイプ(サイレンススズカ、メイショウボーラー)、先行馬でも直線入り口でスパートして置き去りにするタイプ(タイムパラドックス、アグネスタキオン)差し馬だと並ぶ間もなく交わしてそのまま独走するタイプ(ナリタブライアン、ディープインパクト)、追い込み馬でも最後方から怒涛の追い込みで直線だけで差しきるタイプ(スペシャルウイーク、タニノギムレット、デュランダル)など幅広い。上記は極端に強い例だが、基本的には勝負どころでの瞬発力と、そうでない時の省エネ運転が持ち味といって良い。脚が溜まればとにかく切れる、これが合言葉だろう。比較的にすべての産駒が万能型であることが多いノーザンダンサー系と違い、得意な馬場がはっきりしているのも特徴のひとつ。ただ、父の血統だけで判別できるほど簡単ではなく、そのあたりは戦跡を見て判断するよりない。また、親和性が高い血統で、母父に入ると父系のよさを補完する。好走イメージは以下。

1 スローペースでの決め手勝負

 スローペースで馬群が一団となっているような状況ではこの系統の馬はとにかく切れるため有利。ただし、最近はこの血統の馬が多いため、その中からどの馬が来るのかは良くわからない(笑)。スローが予想される展開で、この系統が父、母父に入っていない馬は評価を落としてよいだろう。

2 単騎逃げ

スローペースでの逃げなら4角突き放し、ミドルペースでの逃げなら3コーナーで息を入れての4コーナースパート、ハイペースでの逃げでも直線入り口でひきつけて直線でもう一度突き放すなど、息が入ればもう一度切れる。脚が溜まれば切れる血統なので、先行馬は息が入るかどうかがポイントになる。スピードの違いで突き放して逃げるような馬についても、息が入るかどうかがポイント。

3 経済コースを立ち回って直線抜け出し

ペースが上がったときには経済コースで脚を溜めている馬が有利。3コーナーまで内でじっとしていてそこから捲って直線抜け出し、あるいは好位につけてコーナーは内でじっと我慢し、コーナーワークで順位を保って直線するすると抜け出すというようなうまい競馬が出来るのはこの系統の真骨頂だろう。脚が溜まるかどうかの見極めは重要だ。

ハイペース、ミドルペースでも強い馬は当然いるが、ヘイルトゥリーズン系だからといってすべて買えるわけではなく、母系統の特徴を考えて買うべきといってよい。親和性が高い血統だけに、馬場状態、レースの質、コースの得手・不得手は母父系統に依存することが多いのだ。この血統で、決め手がある馬はみな、すべてのペース、すべてのコースで堅実に差してこれるというわけではない。

買い条件

ペース=スローペースで買い。

展開は単騎逃げはベタ買い、ペースが速くなるようなら内枠買い、捲り、立ち回り得意タイプの騎手で買い、外枠は消し。

ダートは中距離以上で決め手勝負なら買い。短距離なら内枠買い。軽ハンデ買い。ハンデ見込まれて消し。

馬場状態悪化なら内枠買い。外差し馬場なら外枠ベタ買い。

中系統

1 サンデーサイレンス系

 日本の競馬を一代で変えたといっても良い大種牡馬から出た系統で、同馬亡き後も圧倒的な血統支配率を誇る。母系がどんな血統でもその血統に瞬発力を加えるその能力は今までにないものであり、その産駒のタイプもバラエティーに富む。距離適正も産駒によってバラエティーに富み、競馬場による苦手、得意もなく、芝、ダートも関係なく走るその万能性も特徴のひとつ。本当に強い産駒はこれと言った死角がない。同じ万能血統だが、脚が溜まらない流れが苦手、というのはノーザンダンサー系とは全く逆で、好対照だろう。

2 ロベルト系

 リアルシャダイ、ブライアンズタイムに代表される血統で、パワフルな末脚と、豊富なスタミナがその特徴。中にはスタミナを利して、最初から飛ばしまくる産駒もいるが、ほとんどが中、長距離を得意とするステイヤーで、長丁場でも急加速できるという特徴を持っている。ヘイルトゥリーズン系らしく、脚が溜まらないと切れないというのはサンデーサイレン酢の系統と一緒だが、サンデーの系統と違い、好、不調の波が激しく、強いときは本当に強いが、弱くなると全然勝てない。(例外的にシルバーホークの系統はムラ駆けである…気性による)。芝、ダートは問わないが、先行タイプは荒れた馬場が得意、差し馬タイプは軽い馬場が得意。この当たりも産駒ではっきり特徴が出る。

3 ヘイロー系

ロベルト系と並んでヘイルトゥリーズン系で発展している系統で、日本向きのスピードを備えた血統。ダート、芝ともにこなし、比較的に距離適正は短い。芝は洋芝か荒れた馬場、ダートは湿った馬場が得意で、基本的にやや力の要る馬場が得意なのだろう。脚質的には逃げか追い込みが得意で、ほとんどの産駒の勝ちパターンがそう。先行や差しなどはあまりはまらず、そういう意味でも展開次第の面はある。サンデーサイレンスを出した系統だが、同じと思わないほうが良い。ただ、基本的には脚が溜まれば切れる、というのは同じで、得意な馬場条件が違うということだけは覚えておきたい。

V ミスタープロスペクター系   6ハロンだけ脚が使える

 ネイティブダンサー、レイズアネイティブと続く系統で、大種牡馬ミスタープロスペクターから出た近年まれに見る驚異的な拡大を見せた。アメリカ的なパワフルなスピードが持ち味で、とにかくスピード能力に優れている特長があり、ノーザンダンサー系などとは明らかな違いがある。

 ナスルーラ系とヘイルトゥリーズン系を足して2で割ったような血統で、比較的器用な馬が多いが、圧倒的なスピードの反面、スタミナが無いのが特徴。また、小系統ごとの差があまり無いのも特徴のひとつで、基本的には「6ハロンだけ脚が使える」のが基本線だ。だから短距離だと逃げ馬が圧倒的なスピードを生かして逃げ切る競馬になるし、長距離ではほとんどが差し馬になる。そのスピードの基本は強靭なバネによる瞬発力から来ており、馬場を選ばないが、芝でもダートでも同じようにスピードを発揮することから、どちらかというと相手がスピードが鈍るダートのほうが得意だ。馬場状態が悪化した芝でも基本的には走ってくる。6ハロン以上走る馬はスタート時のスピードを生かして惰性で走り、最後また瞬発力を生かして伸びてくる、というのが特徴で、展開の助けなどが必要となってくる。影響力の強い血統で、父系だとほぼミスプロ系然とした産駒を出し、母系に入っては馬場を選ばない瞬発力を補完する。好走イメージは以下。ノーザンダンサー系血脈が入ると、万能性がかなり増す。

好走イメージは以下。

1  ダート短距離の先行逃げ切り

6ハロンだけ脚が使えると系統だけに、6ハロン以下のレースではとにかく最初から最後まで追いまくるのがベスト。6ハロンだけなら最後まで我慢できる馬が多く、今までダメだった馬でも、イケイケの騎乗で突然復活する馬もいるだけに注意が必要だ。スタートが一息でも、最初から最後まで追い続ければ、持ち前のスピードで取り返してしまうことも出来ることが多い。ミスプロ系といえば、これだ。

2 力の要る馬場での直線一気

ミスプロ系のグラスホース、長距離馬と言えば、ほとんどが差し馬。しかもノーザンダンサー系血脈の入った馬が多い。好発を決めて、あとはND系の血統を生かし、惰性で平均ペースを刻み、ラストで一気にダッシュして抜き去る。この系統の差し馬は力の要る馬場は得意で、直線坂が合っても苦にしない。ただ、道中は脚を使いたくないので坂がないほうが良い。そういう意味ではミスプロ系の差し馬は中山、東京、阪神向きで、そのほかのコースなら先行馬のほうが良いだろう。実力のある馬なら距離が長くても末足だけで勝てるが、条件馬(特にノーザンダンサー系血脈を持たない馬)に関しては、より力の要る馬場のほうが良い(ダート良馬場、芝不良馬場)6ハロン以上でも短いに越したことはない(ダート1400戦など)。

3 ダート重馬場での先行抜け出し

もともとアメリカンダートで発展した血統らしく、脚抜きの良いダートが得意だ。日本の馬場ではパンパンの良馬場はどうしても短距離しか持たない。が、脚抜きの良い馬場でなら距離適正が随分と伸びる。1800mまでで、やや重、重、不良なら、もち時計さえあればこの系統の馬を信頼してよいだろう。

4 ダート中距離、スローペースで好発決め、先団抜け出し

ミスプロ系の中距離馬は大体こんな感じのレースをする。アメリカなら長距離を走れても、日本ではダート短距離か、追い込み一手の競馬しか出来ないのが現状。ただ、ノーザンダンサー系血脈を持っていたりする馬や、気性のいい馬に関しては「6ハロンしか脚が使えない」が、「前半4ハロン使って最後の2ハロンでもう一度脚を使う」と言うレースが可能で、とくに体重の大きい馬は距離適正が伸びる傾向がある。ノーザンダンサー系ほどスピード調整能力がないわけではないので、スローペースになりそうなら、決め手のあるこの系統を狙うことも一考だ。典型はアフリート産駒。短距離か長距離しか走らない。

買い条件

ダート1200ならペース馬場状態関係なしで無条件で買い。

追い込み馬なら馬場を問わず、直線坂ありで買い。

道悪で買い。パンパンの良馬場で距離延長で消し。距離短縮で買い。

内枠買い。1400m以上でミドル、ハイペースなら追い込み馬以外はすべて消し。

中系統

1 ミスタープロスペクター系(直系 小系統ファピアノ系、フォーティナイナー系、ミスワキ系 ウッドマン系など)

広がりを見せるミスプロ系だが、後継種牡馬は数多く、そのほとんどを直系と考えてよい。ファピアノ系、フォーティナイナー系、ミスワキ系、ウッドマン系など、ほとんどがアメリカでは長距離こなすが、日本では短距離馬として終わる馬が多い。非常に影響力の強い系統で、母父に入ってもダートの短距離をこなす馬が多く、またSS系の母系に入っては6ハロン分の強烈な末脚を補完することが多い。ノーザンダンサーの血が混じらなければ、基本的にはダートか芝の短距離以外では用がない。ただし、例外的にティンバーカントリーや、ウォーエンブレムのように、瞬発力に特化したような産駒が多い馬は、グラスホースや、ダートの長距離馬を出すことがある。

2 ×ノーザンダンサー系(小系統 キングマンボ系 エンドスイープ系 マキャベリアン系など)

ミスプロ系の馬は基本的にダート短距離を得意とするが、ノーザンダンサー系血脈が加わるとなぜか屈強な差し馬が完成する。道中はノーザンダンサー系の特徴らしく、平均ペースで駆け、最後の最後で強烈な末脚を披露する馬がいて、非常に困る。ノーザンダンサー系の血脈が強いほど芝向きで、薄くなるとまたミスプロ系の色合いが濃くなる。ミスプロ×ノーザンダンサーは不発のない差し馬血統で、差しの向く展開で買い。力の要る芝の馬場で買い。キングマンボ系(エルコンドルパサー、アルカセット、キングカメハメハ)エンドスィープ系(フォーティナイナー系でもこの系統だけは芝の差し馬を出す、アドマイヤムーン、スイープトウショウ)、ジェイドロバリーなどで、そのほか、ミスプロ系の直系でも、ノーザンダンサー系牝馬と掛け合わせると突然グラスホースを出すことがある。

W ナスルーラ系     爆発的な脚力がある個性派。一回だけ長く脚が使える。

ミスタープロスペクター系が出るまでの代表的なスピード血統といえばこの系統。一言で言うと爆発力がある血統で、ロケットエンジンのように、一度火がついたら止まらない脚力を持っている。気性面でもそうだが、概して器用さに欠けるが、環境や展開が嵌ると問答無用でぶち抜く強さを持っている血統。また、小系統ごとの特徴も大きく違うが、基本的には一度火がついたら燃料が切れるまで止まらないのと、スピードダウンしたらもう一度スピードアップが出来ないというのが2大特徴であるのは変わりない。ハマると強いが、ハマらないとてんで弱い!!ノーザンダンサー系、ヘイルトゥリーズン系、ミスプロ系ほどの広がりを見せていないため、中系統での大雑把な分析になる。小系統での違いもあるので、注意が必要だ。

中系統

1 グレイソヴリン系   いわゆる芦毛の快速血統。血統的な影響力が非常に強く、日本の競馬でも非常に大きな影響力を持つ。

小系統 

カロ(フォルティノ)系         コジーン  スターオブコジーン  ビワハヤヒデ タマモクロス クリスタルパレス ゴールデンフェザントなど。

トニービン(ゼダーン)系       ジャングルポケット  ウイニングチケット  カンパニー  テレグノシスなど

ソヴリンパス系            アローエクスプレス  リードワンダーなど。現在はほとんど見かけない。

 とにかく直線コースと荒れ馬場が得意な血統。ダートでは小回りの短距離、芝の高速馬場も小回り短距離、荒れた芝は中、長距離の大回りコースが得意という、イマイチつかめない血統だが、共通して言えるのはだんだん早くなるラップを刻むと好走するということだ。コーナーリングなどはうまいが、スピードの上げ下げに関しては全く持って不器用な血統で、いったん早くなったペースを遅くしてもう一回早くする、というのが無理。特にある程度スピードに乗った状態でのコーナーリングが苦手。だから不利を受けやすいし、不利を受けると勝てない、という難しい血統である。ただ、加速しながらのコーナーリングは得意であり、捲りの競馬はこの血統の真骨頂だ。だんだんペースが速くなる、というラップを刻みさえすれば短距離でもポテンシャルは高いし、距離適正も長くなる。(典型的なのがテレグノシスだろう。)ダート、芝の短距離で、小回りコースが得意(加速しながらのコーナーリングが生きる)。マイル以上では広い競馬場、特にコーナーがタイトではないコースが得意だ。東京、阪神コースは中・長距離が得意で、中山、京都、小倉、新潟、中京はマイル以下が得意ということになる。

 牝馬に活躍馬が多く、母父に入っても影響力が非常に強いのも特徴だ。ベガ、エアグルーヴ、ノースフライトといった歴史に残る名牝のほか、ローブデコルテ、レディパステルといった強豪牝馬を数多く出し、母系に入ってはアドマイヤグルーヴを出している。また、タニノギムレット、タヤスツヨシ、アドマイヤベガといった母系にグレイソブリン系が入った血統についてもグレイソヴリン系の色を色濃く出している。

 この系統は非常に影響力が強く、荒れ馬場得意、ダートなら短距離が得意、母系に入っても影響力が強い、という点でミスプロ系と共通。ただ、6ハロンだけ脚が使えるが脚の出し入れが自在なミスプロ系と好対照に、スピードの変化に極端に弱く、しかしだんだん早くなるラップを刻めればどれだけでも距離適正が持つというのは真逆といってよい。ミスプロ系は比較的ダートホースが多いのに対し、グレイソヴリン系はグラスホースが多く、また芝ならマイル以上の距離を得意としている。

好走イメージは以下。

1 ダート短距離、小回り短距離コースの先行逃げ切り

ダート短距離、小回り短距離では一本調子のスピードタイプで、特に時計勝負に強い。いかにもナスルーラ系という感じ。

2 小回りコース、スローペースのマイル〜2000の先行・捲りでの粘りこみ

不器用な馬なので、スムーズに行くことが条件で、かつ競りかける馬がいないのも条件。ひとたびスピードを上げたら、最後まで止まらないが、コーナーなどで邪魔されたり、不利を受けたりするとそれで競馬が終了するという血統なので、スムーズに先行すればそのまま粘りこめる。ただ、不利を受けやすい血統でもあるのだ。強い馬はスムーズに先行してコーナーから捲って直線抜け出してそのまま(カンパニー、ノースフライトなど)というレースが出来る。特に洋芝、荒れ馬場なら能力倍増する。

3 大回り、直線長大なコースでミドル、ハイペースの後方一気。

この血統の真骨頂がこのレース運び。荒れ馬場でもミドルペースでも後方から33秒台の脚を使って駆けてくるすさまじい爆発力を持っている。最終コーナーまでにラップが早くならないようにしなければならないのが難しいところで、一度でもペースが落ちるともう上がらない

買い条件

ダートや1200m戦なら時計勝負で買い。小回り買い。

スローペースなら揉まれそうな場合消し、揉まれない可能性があればヒモで買い。ただし、時計上位ならスローペース先行でベタ買い。荒れ馬場で買い。

ミドル・ハイペースなら追い込み馬買い。先行馬全消し。小回り競馬場で全消し。東京、阪神でベタ買い。新潟はハイペースで追い込みベタ買い。

中山はミドルペースなら逃げのみ買い。京都、福島、小倉内枠消し。外枠捲り脚質買い。洋芝(オーバーシードで伸びたもの含む)買い。

不良馬場買い。

2 プリンスリーギフト系  世界的にも珍しくなってしまった快速血統で、日本でもテスコボーイ系が活躍するのみとなっている。

小系統 テスコボーイ(サクラユタカオー系)

ナスルーラ系らしい血統で、爆発力を絵に書いたような血統。基本的には短距離血統だが、ミスターシービーやトウショウボーイを出しているように、差しに徹すれば距離は大きく伸びる血統だ。基本的には一本調子のスピードタイプで、勝ちあがり率はすごく良いが、自分の時計以上に走れない弱さがある。荒れた馬場が得意で、ダートや不良馬場などでは持ち前の爆発力で逃げ切れる。ダート、不良馬場では逃げで意外と距離が持つが、芝の良馬場の時計勝負では先行、差しに転じたほうが強く、距離が長くなると今度は追い込み以外が通じない。平坦コースなら適正距離が伸びる傾向があり、小回りコースは比較的得意。短距離なら坂道も押し切れる。好走条件は以下。

1 短距離の時計がかかる条件での先行逃げ切り。

芝なら重馬場、ダートなら良馬場の、短距離での逃げ切りがこの系統の最大の強さだろう。また、未勝利、500万下などの下級条件での勝ち上がりがいいのも「時計がかかる条件」になる。

2 時計上位での先行逃げ切り、好位抜け出し。

強い馬は自分の時計から崩れることがない。サクラバクシンオー、エアジハード然りである。上位条件でも、時計が上位であれば好走出来るし、時計がかかる条件であればなおさら期待値は高まる。

3 上がりがかかる条件での差し切り

不良馬場の中距離戦、洋芝でのマイル戦など、ペースが速くなる条件での差し切りが得意。トウショウボーイ、ミスターシービーなどはこの好走条件に当てはまってくる。逆にこの条件に当てはまらなければ、長距離、中距離では用がない。

買い条件

下位条件戦で買い。時計上位ならベタ買い。平坦コース買い。

芝なら重馬場条件で買い。ダートなら良馬場で買い。

時計下位で消し。スローペースの差し馬消し。上がりがかかる条件で追い込みならヒモで買い。ハイペースの追い込み馬買い。

3 ボールドルーラー系   ナスルーラの良いところを接いだ血統で、基本的にはダートのスピード血統だ。が、日本のダートでの時計はない。

小系統 ボールドルーラー直系

     シアトルスルー系

     A.P.インディ系

4 レッドゴッド系    世界的にもほぼブラッシンググルーム系を残すのみとなっている血統。いつ切れるかわからない爆発力の塊のような血統である。

小系統 ブラッシンググルーム系

ネヴァーベント系    スタミナ豊富なスピード血統。こう書くと穴がないように見えるが、融通が利かない!自力で動いて勝ちに行くタイプがほとんどで、自分の型にハマれば強いが、ハマらなければ本当に弱い。いつハマルかは良くわからない。

小系統 

リヴァーマン系  パラダイスクリークに代表される融通が効かない平均ペース型系統。はまると強い。

ミルリーフ系   ギアが二段しかない平均ペース型血統。ノーザンダンサーよりもペース変更の融通が利くが、ノーザンダンサーよりもレースが下手で、ノーザンダンサーより               産駒の質にムラがある。

5 その他

リボー系     パワー豊かな万能血統。スピードがない。

ファイントップ系   スタミナ豊富で

トウルビヨン系

ダマスカス系