経済と報道の関係を考えた時、最も重要な問題は何だろうか。報道姿勢の一貫性の無さ、政策の過剰な批判などは良く指摘されるところであるが、果たして問題はそれだけであろうか。私はこの経済と報道の両者間において、現在指摘されているようなことは、実はたいした事ではなく、問題は別にあると考える。マスメディアをただ一元的にとらえるのではなく、情報の生産者(ジャーナリスト)と情報の流通業者(メディア)という二つの行動主体として見ることでそこに内在する問題を発見し、そこにある「報道の論点ズレ」というシステム的な欠陥があることを論証したい。そして報道の論点ズレが経済に対しどのような影響を持ち、経済報道が持っている本当の問題点という物はなんなのかを指摘しようと思う。

 

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