前園さんのいうとうり?ヴェルディキャンプ

日時     1998年6月23日、24日

到達場所   福井県福井市テクノポート福井競技場

メンツ    一日目 僕 菅沼さん

       二日目 僕 吉畑君 前田君

到達手段   一日目 カローラ

         二日目  カレン

 

 福井には毎年、サッカーの読売ヴェルディがやってくる。1998年の暮れに読売ヴェルディFCは日本テレビに身売りしてFC日本となった。だから1999年に来るかどうかは知らないけれど、1998年までは毎年来ていたらしい。

 僕はその日パリオと呼ばれる郊外型の大型スーパーマーケットで買い物をした。鳥足が一本100円で売っており、同じく100円で買ったGAIAと書いた緑色の帽子を被り、嬉々としながら「鳥ガイア!!!」と叫んでいる姿は、正真正銘の馬鹿であるが、本人その辺は自覚している。鳥足を骨までしゃぶって、学校に戻り、嬉々としながらボールを蹴る。帽子を被って「おれはGAIAの若林君」と言う姿は正真正銘のアホであるが、本人その辺を個性だと思っている(天文学的馬鹿)。

そんなこんなで昼が終わり、うれしげに菅沼さんの車に乗り込む僕。気がつけばガイアの帽子をどこかに忘れてしまっている。そんなこんなで、やっとこテクノポートについた僕ら。ラモスやのなんやのが、必死にフィジカルトレーニングをしているのが何とも泣ける。がしかし、この日の練習はどうやらそれで終わりっぽい。何とも言えないで、僕らは帰った。

 

二日目。今度は吉畑君と前田君と共に見に行く。

「Jリーグ創設当時からのヴェルディファン」

という吉畑君は、気合いが入っていて、練習前からすでに車は到着した。

練習始まる。今日の練習はボールを使ったサーキットトレーニングと、キーパーはキーパー練習である。何とも言えない練習が延々と続き、僕はどうも眠くなってきた。と、そこへやっと紅白戦。

しかし、その内容たるやこれでいいのか、というものだった。

 コートはハーフコート、そして、キーパーはフィールドプレーヤー、本来キーパーであるべき本並らはディフェンダーとして活躍している。何とも言えない試合だ。大体ハーフコートなのに全選手が嬉しそうに入っているから混みいっていることこの上なしである。ゲームメーカーは北澤で、そこに高木とラモスが絡む一方に対し、中村、三浦泰、あたりから出たボールが、エドウィン、前園とドリブルで持ち込んで名も知らぬ若手がシュートする一方。大体むちゃくちゃで、これはどう見ても選手の気分転換である。これではチームは強くならないんじゃないか、と素人の私などは思ってしまう。大体柱谷の暴れかたといったら無い。ドリブルしている高木にヘッドロックを浴びせ、さらに殴り付ける凶悪ぶり。菊池兄弟には存在感はなく、石塚は嫌そうだ。本並はゴールに突撃しては止められ、エンリケあたりの外人はライン際で気味に笑う。

 

 何とも言えない試合のあと、我々は出待ちをした。そこらへんの子供たちに混じってサインをもらう。大体僕はグランパスファンなので、そこまでの情熱はない。まず最初に出てきたのは、東京ガス(現FC東京)から移籍したばかりのエドウィンが、ものすごい笑顔。元東京ガスファンの僕はエドウィンに握手をしてもらったりする。

 一方の前田君は、元ヴェルディGKで、すでにこのとき引退しているはずの藤川さんにサインをお願いしている。藤川さん、いくら生ダラあたりで有名でも、ここは選手の人気を奪うわけにもいかず、小さな控えめこの上ないサインをした。お陰で前田君の色紙にはたくさんの選手からたくさんのサインをもらった。藤川さん、ラモス、本並、ミニラこと中村、高木、北澤、そして前園。困ったことにほとんど現在現役でヴェルディに在籍していないが。

 僕は、ラモスと握手するなどしたが、その辺にはあまり興味が無い。さすがにラモスは大人気かつ、ファンサービスがよく、子ども抱きかかえたりとかで、偉いのだが、僕の目的はやはりゾノだ。前園のリポビタンデーのうちわに、直筆のサインを入れてもらうのである。

 実はこのうちわ、すでにサインが入っている。表に前園の写真とともにサインがあるのだ。しかし裏にはリポビタンデーと書いてあるだけの何でもないうちわだ。この裏、ゾノにサインしてもらったのだが、なんとサインのデザインは違っていた。

 信じられないことだが、表のサインの方が簡単で、裏の直筆のサインの方が手が込んでいるのだ。意外とゾノ、ファンに優しい。が、ゾノ、リポビタンデーの自分の写真を見た瞬間に顔色が変わったのを私は見逃さなかった。

 

 今となってはほとんど笑い話で、なんとも言えないこのキャンプだが、果たしてどの程度までこのサインの価値が出るのか?頑張ってくれ、ゾノ。

 

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